【読書感想】辻村深月『傲慢と善良』|「いい人なんだけど、なんか違う」…その正体にハッとする

[PR] 当サイトはアフィリエイト広告による収益を得ています。

はじめに:「ピンとこない」は、私の心のクセだったかもしれない

「いい人なんだけど、なんかピンとこない」
婚活でも、恋愛でも、仕事の場面でも──。
そんなふうに感じたこと、あなたにもありませんか?

私も何度もあります。
一緒にいて不快じゃない。条件も悪くない。むしろ好印象。
なのに、心が動かない。どうしてなのかわからない。

でも辻村深月さんの『傲慢と善良』を読んで、そのモヤモヤの正体が見えた気がしました。

この本は、婚活、恋愛、親子関係、人生の選び方……
“自分では善良に生きてきたつもり”な私たちの心の裏側に、じんわりと、でも鋭く問いを投げかけてきます。

aiko
aiko

こんな人に読んでほしい!

  • 「いい人なんだけどピンとこない」が口ぐせの人
  • 婚活や恋愛に疲れてしまった人
  • 自分の“見る目”に自信が持てない人
  • 子育てで「信じることの難しさ」に向き合っているママ
  • 親や世間の期待に従って生きてきたけど、どこかでモヤモヤしている人

この記事では、あらすじと感想をネタバレありで紹介します。

あらすじ

39歳の男性・西澤架は、婚約者の坂庭真実が突然失踪したことで、彼女の過去や心の葛藤を探り始めます。

真実は、周囲の期待に応え続ける「善良さ」の裏に、自分の意思を押し殺し、「ピンとこない」と感じる恋愛を繰り返していました。

物語は、二人がそれぞれの気持ちと向き合いながら、理解と尊重を深めていく過程を描いています。

📖読後の気づき:私の“ピンとこない”は、他人じゃなく自分を見ていた

辻村深月さんが語る「ピンとこない」の本質は、

「その人が、自分につけている値段です。」

という一文に集約されています。

もっとわかりやすく言えば、こうです:

「この人、私には合わない」という直感の裏には、
「私はもっと価値があるから、この人じゃ釣り合わない」
という無意識の自己評価がある。

それを読んだとき、私はゾクッとしました。
自分にそんな風に「値段」をつけていたなんて思ってもいなかったから。

でも、思い返してみれば、
恋愛中のあの違和感、人間関係の選り好み、
全部、“自分が自分に期待していた価値”と照らし合わせて相手を見ていたんです。

それはただの好みや相性じゃなく、
「無意識にジャッジしていた自分」そのものでした。

👩‍👧「善良な母親」の仮面の下にある、不安という傲慢

この本で、もうひとつ印象的だったのが、親子関係の描写です。
ある登場人物が、こう語る場面があります:

「母の心配が(大人になって)わかる分、
自分の不安を優先して子どもを信じなかった。」

私はこの言葉に、完全にノックアウトされました。

“子どもが困らないように先回りする”
“つい口を出してしまう”
“信じたいけど待てない”

どれも、母としての「善意」から出ている行動のはずなのに、
実はそれって、自分の不安を解消するために子どもをコントロールしようとしていただけなのかもしれない

「信じる」って、言葉では簡単だけど、行動にするのは本当に難しい。
この一文を読んで、私は思わず深くため息をつきました。
善良でいることと、信じて任せることは、まったく別物なんだと。

子育て関連記事👇
 📚「子どものグズグズがなくなる本」田嶋英子著
 📚「ハーバード、イェール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたか」薄井シンシア著

📝まとめ:傲慢さは“悪”ではない。でも、“気づかない”ことが怖い

『傲慢と善良』を読み終えて私が感じたのは、
人は誰でも傲慢になる瞬間があるということ。
それは恋愛や婚活だけでなく、仕事、友情、親子関係──あらゆる場面で顔を出します。

でも、辻村さんのすごさはそれを「責める」のではなく、
あくまで「気づかせてくれる」書き方にあります。

「あなたの中にもあるよね、傲慢さも善良さも」
そう優しく鏡を差し出されているような感覚。
だからこそ、受け止められるし、少しだけ変われる気がします。

🌱おわりに:その“直感”は、あなたの心のくせかもしれない

「ピンとこない」
「私はもっといい人と出会えるはず」
「自分を大切にしたい」

──それ、本当に“自分の声”ですか?
それとも、無意識に貼った“値札”に縛られているだけかもしれません。

『傲慢と善良』は、自分の中の“静かな傲慢さ”にそっと光を当ててくれる本です。
読み終わったあと、世界の見え方がほんの少し変わる。
それは、他人を変えるよりずっと深い“自分を知る”という変化です。

✅辻村作品|次に読むならこちらもおすすめ

  • 『名前探しの放課後』|“自分で選ぶこと”の大切さを思い出させてくれる一冊(後日掲載予定)
  • かがみの孤城』|子どもの心をのぞいたあと、大人にこそ刺さる名作
aiko
aiko

この記事が参考になったらぜひシェアしてください

コメント

タイトルとURLをコピーしました