【読書感想&考察】辻村深月『朝が来る』|それでも家族になろうとする人たちへ

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こんにちは、当ブログにお越しくださり、ありがとうございます!

今回ご紹介するのは、辻村深月さんの「朝が来る」です。先日ご紹介した「まなの本棚」でも愛菜ちゃんがたくさん紹介してくださった辻村深月さんの作品です。

本書は、静かな文体の中に、社会の歪みと人間の希望が描かれています。
家族とは何か? 血のつながりがない親子の絆は「本物」なのか?
この問いに真正面から向き合い、「命を託す」ことと「命を育てる」ことの尊さを描き出しています。

aiko
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こんな人にオススメ!

  • 養子縁組や不妊治療のリアルを知りたい
  • 家族や命にまつわる深いテーマに触れたい
  • 辻村深月さんの作品が好き

この記事では、あらすじと感想をネタバレありで紹介します。

あらすじ

ある日、栗原夫妻の元に一本の電話がかかってくる。
「その子を返してほしい」——電話の主は、特別養子縁組で迎えた息子の“実の母”だった。

不妊治療の末、ようやく授かった「家族」という形が、思わぬかたちで揺らぎ始める。

感想・考察:何が“本当の親”なのか?

🔶「育ての親」 vs 「産みの親」——2つの視点を通して見えるもの

辻村さんはこの小説で、あえて「どちらの視点にも共感できるように」描いています。
中学生で妊娠したひかりの孤独も、長年不妊に悩んだ栗原夫妻の苦しみも、どちらも一方的には語れません。

「親になる資格は、どこで決まるのか?」
それは学歴?経済力?年齢?血のつながり?
読者は否応なく、自分の価値観を問われることになります。

🔶辻村作品に通底する「見えない痛み」の描写力

辻村さんの作品には、「見えない苦しみ」「声に出せない痛み」が多く描かれます。

本作も例外ではなく、ひかりが母親から「なかったこと」にされる場面や、栗原夫妻が周囲から無意識に“子どものいない夫婦”として扱われる場面など、声なき傷がとてもリアルに伝わってきます。

子どもは授かりものです。不妊の原因が自分にあった時、相手に対して土下座して謝罪しなくてはならないのでしょうか。

また、ひかりのように若くして妊娠してしまったとき、私がひかりの母親だったら、どう寄り添うだろうかと考えて、まだ答えが出せずにいます。

🔶特別養子縁組という選択肢

この作品を読むことで、特別養子縁組について考え直す読者も多いのではないでしょうか。
単なる「制度」ではなく、それぞれの親子にとっての人生の選択肢であること。
辻村さんは、フィクションという形で社会の偏見にも静かに挑戦しています。

タイトル「朝が来る」に込められた希望

「朝が来る」は、絶望の中に希望を描く象徴的な言葉です。
夜のような不安や孤独があったとしても、必ず終わる。
そして、その先に何かを築くことはできる——それを信じさせてくれるラストでした。

あなたにとって「家族」とは?

この作品を読み終えたとき、あなたはどんな問いに向き合うでしょうか?
血のつながり? 愛情? 一緒にいる時間?
それぞれの読者に、異なる「答え」があるはずです。

aiko
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