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今回は、村井理子さんのノンフィクション『兄の終い』をご紹介します。
ある日突然、警察からの電話で知らされる兄の死——。
体を壊し、困窮し、そのまま這い上がることのなかった兄。著者が向き合ったのは、
“嫌いだった兄の死”というあまりに複雑でリアルな出来事でした。

こんな人に読んでほしい!
- 家族との距離感に悩んだことがある方
- ノンフィクションのリアルな家族の物語が読みたい方
- 死や遺品整理、相続など、人生の“現実”に直面している方
あらすじ(ネタバレなし)

警察署からの突然の電話で、著者は兄の死を知らされます。
生活に困窮し、社会から孤立し、健康を損ないながらも助けを求めなかった兄。
その死によって、著者は元妻や息子とともに“後始末”を担うことになります。
「一刻も早く兄を持ち運べるサイズにしてしまおう」——
そんな辛辣な言葉の裏にある、怒りや悲しみ、複雑な感情の交錯が、5日間の記録として描かれています。
感想(※ややネタバレあり)

一言で言えば、パワフルなノンフィクションです。
突然の死を前に、必要になるのは「気力・体力・経済力」。
その現実を、著者は淡々と、しかし痛烈に描きます。
特に印象に残ったのは、亡くなった兄の部屋を片づけるくだり。
憎くてたまらなかった兄。でも、完全に嫌いきれない兄。
そんな“感情のグラデーション”がとてもリアルで、読み手の心にも残ります。
遺された息子が、父(兄)を発見するという出来事は、正直トラウマ級。
でも、母親と暮らせるようになったことがせめてもの救いかもしれません。
兄の死をきっかけに動き出した家族の5日間は、重たくもどこか人間らしくて、
読み終わったあとに、しばらく心に残ります。
子育て中のママとして思ったこと
この本を読んで感じたのは、
「人が死ぬって、こんなにエネルギーがいることなんだ」ということ。
親やきょうだいの死は、いつか自分の身にも起こること。
でも実際に“その時”が来たら、精神的にも体力的にもかなり大変なんだろうな…と、リアルに想像しました。
子どもに負担をかけないように、元気なうちから身辺整理しておきたい。
そんな現実的な気づきも得られる一冊です。
まとめ:淡々としていて、でも心に刺さる
『兄の終い』は、感情的すぎず、それでいて妙に生々しい。
家族という“近くて遠い存在”とどう向き合うかを、静かに問いかけてくるような本でした。
読みながら何度も「もし自分だったら?」と考えさせられました。
子育て中のママ、家族との関係に悩んでいる方、
「死」や「後始末」に現実味を感じてきた世代の方に、ぜひ読んでほしい一冊です。

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