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「使えないやつは、生きてちゃダメですか?」

この一文に、胸が締めつけられました。
誰かの言葉かもしれない。もしかしたら、自分の心の声かもしれない。
宮西真冬さんの『彼女の背中を押したのは』は、日々をなんとか生きている人の心に、静かに、でも確かに寄り添ってくれる小説です。

この本を、こんな人に届けたい
- 仕事や家庭で「自分の居場所がない」と感じる人
- 誰かに強がってしまうことがある人
- 「もう疲れた」と心がつぶやいたことがある人
あらすじ(ネタバレなし)
ある日突然、妹がビルから飛び降りた。
「相談したいことがある」とメールをくれた、まさにその日に。
姉の梢子(しょうこ)は結婚を機に上京して暮らしていたが、妹のことをきっかけに地元へ戻り、妹の足取りをたどることになる。
同僚、元恋人、そして家族――
浮かび上がってきたのは、妹を追い詰めた社会や家庭の中に潜む“見えない暴力”だった。
母の過剰な期待、父の無関心、職場での心ない言葉。
妹の過去を知ることは、同時に、梢子自身の心の傷と向き合う時間にもなっていく。
心に残った言葉と、私自身の痛み
「自分が悪いと思ったとき、きちんと謝れる。子どもでも分かっているようで、それができる大人は実に少ないように思う。」(P.71)
読んでいて、思わずドキッとしました。
謝ることができないとき、私にもあります。
「自分が悪い」と気づいているのに、口に出せない。
プライド、意地、きまずさ、非を認めたくない気持ち――いろんな“言い訳”が頭をよぎる。
けれどその一瞬の勇気が、人との関係を大きく変えるのだと、この一文が気づかせてくれました。
「英子がはっきりとした口調で言い切る時は大抵、迷いや罪悪感が混ざっている。」(P.164)
これを読んで、私の胸の奥がざわっとしました。
強い言葉を使って誰かを説得しようとするとき、実は私自身が一番迷っていたのかもしれない。
「私は間違ってないよね?」と、自分自身に確認するように強がっていたのかもしれない。
誰かの台詞が、いつの間にか自分の心の鏡になる。
そんな体験を、この作品はたくさんくれます。
この物語の登場人物は、どこかに“弱さ”を抱えた人ばかり
- 引きこもりがちな妹。美しさを持ちながらも、生きづらさを抱える。
- 親の顔色をうかがう姉。職場や家族関係から逃げるように結婚。
- 娘の意志を無視し、かつて芸能界に入れようとした、不器用な母。
- 家庭を省みず、妻に家事育児を任せきりの父。
- 「仕事ができない」と切り捨てる元同僚。
- 性別を理由に昇進できなかった元同僚。
一見、社会で“負けている側”に見える彼ら。
でも、私たちの多くも実は「自信なんてない」「周りとうまくいかない」「なんとか今日をやり過ごしている」という日々を過ごしているのではないでしょうか。
この物語の登場人物たちは、そんな私たちと重なります。
読後に残るのは、「それでも生きていていい」という光(ネタバレあり)
物語が進むにつれ、妹のなぜ転落したのか真相が少しずつ明らかになります。
誰かに殺された? 自殺? …でも真実は、もっと複雑で、もっとやさしかった。
妹は、「誰かを救おうとして」、転落したのです。
そしてそれは同時に、彼女自身が「自分らしく生きよう」と選んだ瞬間でもありました。
本当に苦しかった。
だけど、物語のラストには確かな光が差し込んでいます。
「使えないやつだって、生きてていいんだ」というメッセージが、静かに、でも強く胸に響いてきます。

まとめ|「私も、そうだった」と誰かが言える物語
『彼女の背中を押したのは』は、「がんばらなきゃ」と日々踏ん張っているあなたの心を、少しだけ休ませてくれる一冊です。
あなたがあなたらしく生きることを、誰かに肯定してほしいとき。
そんな時に、ぜひ読んでみてください。
宮西真冬さん。また気になる作家さんになりました。

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